76ersVSセルティックス
1984年3月25日
ジュリアス・アービング
アービングはバスケットボールにおける想像力や創造性を一つ上の次元へと引き上げさせたという点で他に比類ない功績を残した。アービング以前にもアクロバットなプレイを得意とする選手は居たが彼ほどに世間にインパクトを与えた選手はおらず、彼の登場以降プロバスケットボール選手にはただの競技者という人格だけでなく、プレイそのもので人々を魅了するエンターテイナーとしての顔も与えられ、後にNBAが世界的な人気を博す上で重要な役割を果たした。"芸術品"にもたとえられるダンクシュートはアービングの代名詞となっている。彼の跳躍力は「時計を見て家に電話を入れる時間があった」というジョークが生まれるほどに長い滑空時間を誇り、長い腕はボールをリムに叩き込む動きをよりダイナミックにし、非常に大きな手の持ち主だったため、どんなに腕を振り回してもボールが彼の手から零れ落ちることはなかった。彼の系譜はのちのマイケル・ジョーダン、ドミニク・ウィルキンス、ヴィンス・カーターら著名なスラムダンカーに直接的・間接的に受け継がれ、ひいてはリーグ全体の遺産ともなっている。ある人はアービングのバスケットボールの歴史に果たした役割を航空機におけるライト兄弟にたとえ、またある人はベースボールにおけるベーブ・ルースの存在になぞらえている。 彼の魅力的なプレイスタイルが生み出されたのはプロキャリアのスタートがABAだったことも少なからず関係している。すでに20年以上の歴史を持ったNBAは保守的な傾向が強く、派手なプレイスタイルはあまり好まれなかったが、歴史の浅いABAはNBAに対抗するために見栄えの良いプレイを奨励したため、アービングの能力は大いに発揮された。ABAにとってアービングはリーグの至宝だったが、その価値はABAが消滅してからも下がることはなく、NBAにとってもアービングがリーグの至宝となり、1980年に発表されたNBA35周年オールタイムチームでは11人の中に、まだNBAで4年しかプレイしていないアービングが選ばれている(現役からはカリーム・アブドゥル=ジャバーとアービングの2人のみ、ABA出身ではアービングただ一人が選ばれている)。 ABAとNBAを通じての通算得点は3万点を超えている。NBA歴代選手のうち、生涯通算得点が3万点を超えているのは、カリーム・アブドゥル=ジャバー、ウィルト・チェンバレン、カール・マローン、マイケル・ジョーダン、コービー・ブライアントのみであり、アービングの得点力は歴代屈指だった。また優れた跳躍力と長い腕はリバウンドにも力を発揮し、アシスト数やスティール数、ブロック数でも高い数字を残すなど、アービングはオールラウンドな才能の持ち主でもあった。
ジュリアスアービング 29得点 6リバウンド 6アシスト
モーゼスマローン 32得点 27リバウンド
ラリーバード 33得点 17リバウンド
セドリックマクスウェル 22得点 8リバウンド
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